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「東西うどん」から「47都道府県ビール」まで〜花ざかりなご当地メニューの今〜

最近、コンビニやスーパーなどで「ご当地」をウリにした商品をよく見かけます。47都道府県ごとの名前を冠したビールや、本来、東日本と西日本で味を変えている商品が全国発売されるなど、同時に味比べができることでも人気となっています。今回はさまざまなご当地商品をご紹介します。

4地域の赤いきつね

(出典:http://www.maruchan.co.jp/news_topics/entry/2017/05/post_1386.html

マルちゃんの赤いきつねは元々東日本と西日本でだしを分けていましたが、現在では、関西、北海道向けが追加され、4地域によって異なるだしによる販売がされています。2017年5月に開始した「マルちゃん『赤いきつねの日本味めぐり』」というキャンペーンにより、その4種が全国発売されることとなりました。

日清のどん兵衛東西食べ比べ

(出典:https://www.nissin.com/jp/news/5990

日清のどん兵衛も赤いきつねと同じように西日本向けと東日本向け、北海道向けと地域によって味付けを変えています。日清では2011年より定期的に「日清のどん兵衛東西食べ比べ」というキャンペーンを実施していて、2017年には6商品を期間限定で全国販売しています。

47都道府県の一番搾り

(出典:http://ichibancp.jp/?page=c_info_top

2016年から販売を開始したキリンビールの47都道府県の一番搾りは、ラベルにそれぞれの都道府県名が印字されていて、地域ごとに異なるコクやキレのバランスを楽しめるものです。商品開発の際には、実際に各地域の方に取材を行って味のコンセプトを決めていったそうです。さらに、一番搾りでは47都道府県毎に、ジャニーズ事務所の「嵐」を起用したTVCMを順次公開。47都道府県に徹底したこだわりを見せています。

飲食店ではキャンペーンメニューとして

(出典:https://www.doutor.co.jp/dcs/

もちろん飲食店でもこういった手法は多くあり、バーミヤンでは名古屋のまぜそばや各地の食材を使った「全国ご当地旅するグルメフェア」を実施。吉野家では、2016年の冬に地域限定鍋として、全国5地域でそれぞれ限定のご当地鍋を提供していました。ドトールでは、2017年6月より「ドトールジャーニー」と称して、国産の食材をピックアップしたキャンペーンを実施。福岡のあまおうを使った「苺のフローズン」、沖縄西表島産の黒糖を使った「黒糖ラテ」、鹿児島県産の黒豚を使用した「ミラノサンド鹿児島県産黒豚と夏野菜ソース」を発売しています。

こうしたご当地商品の特徴は次のようなものが挙げられます。

    • 地元意識を感じさせ、親近感を湧かせる
    • 地域によって異なる味で展開していたものを全国発売することで、ブランド
      のマンネリ化を防ぐ
    • 地方ブランドのネームバリューを活用
    • 新メニューのアイデアとして活用
    • 国産で安心や安全をアピール

一番搾りでは、全国発売しているロングセラー商品を、47都道府県毎、ローカルの消費者に訴求するという離れ業を行っていますが、前述のとおり、多くの企業がこうしたプロモーションを行っている現状を見ると、地域毎に訴求を変えていく企業が今後ますます増えていきそうです。

ご当地商品の専門店

(出典:https://twitter.com/yakantei/status/878078172989857793/

地方毎の商品を一同にまとめるだけでもインパクトがあります。全国のレトルトカレーを集めた蔵前にある「カレー大使館」や、大阪が発祥で全国のインスタントラーメンを集めた「やかん亭」などは陳列棚のインパクトだけでも他との差別化ポイントとなり、各商品の地域性をより一層引き立てる
ものにもなっています。今回は、ご当地メニューを展開している商品を紹介しました。商品開発に限らず地域の魅力をうまく取り入れることもブランディングの一つです。是非、参考にしてみてください。

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