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六花亭(マルセイバターサンド)

  • パッケージ

レトロ「風」のデザインは、いくらでも作れます。しかし六花亭の包み紙は、風ではありません。100年以上前に実在したラベルが、そのまま元になっています。
≪注意書き≫本記事は各ライターによる情報収集によって作成されているため、主観や意見、事実と異なる文言が含まれている可能性があることをご了承ください。
背景
1977年、千秋庵の暖簾を返上して「六花亭製菓」と改名しました。その社名改名を記念して発売されたのが、ホワイトチョコレートを使ったマルセイバターサンドです。

名前の由来は十勝の開拓にさかのぼります。晩成社を率いた依田氏が1902年にバター工場を創業し、1905年に北海道で初めて商品化したのが「マルセイバタ」でした。

帯広百年記念館は、晩成社が使っていたマルセイバタのラベルを76枚所蔵しています。このラベルをもとに、包み紙のデザインが生まれました。
戦略意図
土産菓子が置かれる場所を考えると、この選択の意味が見えてきます。

駅や空港の売り場では、客は数十秒で決めます。味の説明を読み込む時間はありません。買う瞬間に伝わるのは、ほぼ見た目だけです。

そこで多くの菓子は「北海道らしさ」を記号で足そうとします。牛、雪、大自然。しかし記号は他社も使えるため、差がつきません。

六花亭が置いたのは記号ではなく、実在した事実でした。開拓期のラベルという、他社が真似しても意味を持たないものです。同じ意匠を模倣しても、その歴史を持たない会社が使えば、ただのレトロ風に戻ります。

結果として、包み紙が値引きの代わりに働いています。価格で選ばれる土俵から降りるとき、根拠のある固有の物語は最も強い材料になります。
表現意図
デザインは復刻そのままではなく、再デザインされています。当時のラベルを現代の印刷と判型に合わせて整えたうえで、元の骨格は残す。懐かしさを演出するのでなく、実物の面影を保つ方向で調整されています。

六花亭の包装紙や紙袋に使われている花柄も、同じ考え方で描かれています。北海道にゆかりのある野草や花が題材で、装飾のための模様ではありません。

包み紙は、開ければ捨てられるものです。それでも買う瞬間には、商品より先に目に入ります。捨てられるものにどれだけの理由を込められるかが、土産菓子の勝負どころになります。

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