あえて、
- ブランド名

食における産業の競争は厳しいものがあります。コロナ禍で激化したのが弁当や惣菜の分野ではないでしょうか。コロナ禍が落ち着つくことで需要も落ち着いた時期である2024年。この年に登場した冷凍宅配弁当があります。
≪注意書き≫本記事は各ライターによる情報収集によって作成されているため、主観や意見、事実と異なる文言が含まれている可能性をあることをご了承ください。
背景
冷凍食品にどのようなイメージを抱いていますか?料理する側からすると後ろめたさを感じたり、食べる側からすると温かみをあまり感じなかったりするかもしれません。そんなイメージを上手に利用して開発したのが、味の素の冷凍弁当『あえて、』です。冷凍弁当はおかずのみが大半を占めますが、『あえて、』はおかずとまぜご飯が入っています。
戦略意図
おかずとまぜご飯が両方入っているので、購入者はレンジで温めるだけ。さらに、WEBで注文できる宅配システムなので、買い物の時間も短縮できます。世の中の人に、時間を有効利用するために「あえて」手作りにこだわらず、冷凍弁当を積極的に取り入れてほしいと、究極の手間抜き弁当としてブランディング。冷凍食品に関するノウハウが蓄積されている味の素は、美味しい冷凍食品を提供できる技術が備わっているので、消費者から選ばれるという目論見もありました。戦略は見事にはまり、販売スタートから4ヶ月ほどで約10万食を売り上げました。
表現意図
ブランド名が、何よりインパクトがあります。「あえて」という言葉には、意図的にというニュアンスが含まれています。仕方なくではなく、冷凍食品を意図的に取り入れる。これまでのイメージを利用しつつ、冷凍食をポジティブに変換しています。また「、」が入ることで、なんだか優しいイメージがあって生活感が出てくる点もすばらしいですね。