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闇落ちとまと

  • ブランド名

味が劣るわけではないのに、見た目で敬遠されて捨てられてしまう。そんな野菜は少なくありません。そこを逆手にとって、話題をつくった野菜があります。
≪注意書き≫本記事は各ライターによる情報収集によって作成されているため、主観や意見、事実と異なる文言が含まれている可能性をあることをご了承ください。
背景
甘いフルーツトマトを生産するプロセスで、水分を制限することで出てしまう「尻腐れ」という現象があります。表面の皮の一部が黒く変色する現象です。見た目の変色なので、中身が腐っているわけではなく、黒い部分を削れば食べられます。しかし、トマトに限らず、見た目が良くないとされている野菜たちはそのままでは出荷されず、加工品へとまわされるか廃棄されるのです。
戦略意図
新潟県にある蘇我農園では、「尻腐れ」のトマトはトマトケチャップやジュースなどの原料として使用していました。コロナ禍になると、需要が落ちてしまって、「尻腐れ」のトマトが余ってしまう状況に。フードロスを防ぐため、そのまま販売することに踏み切りました。そこで、この「尻腐れ」のトマトをブランド化。実は「尻腐れ」のトマトは非常に糖度が高いという特徴があります。見た目が劣っているトマトではなく、エコで甘くて不遇な扱いを受けているトマトとして価値を付与して販売しました。
表現意図
ブランド名は『闇落ちとまと』に決まりました。名前の由来は名画『スターウォーズ』から。類い希なる資質を持ちながら、不幸な境遇が重なってダース・ベイダーになっていく様が「尻腐れ」のトマトに似ているということで名付けられました。『闇落ちとまと』というブランド名をSNSで発表すると、「食べてみたい!」と話題に。ネガティブなワードを用いながらなぜか愛嬌を感じる、絶妙なネーミングが、ブランド化に一役買っています。