Volkswagen/フォルクスワーゲン
- ロゴ
1937年、ドイツのナチス政権下で国有企業として設立されたのが、フォルクスワーゲンです。2022年現在、世界販売台数はトヨタに次いで第2位、かつて「ビートル」や「ゴルフ」といった名車を生み出し、自動車業界を牽引してきた、世界で最も大きな自動車メーカーの一つです。今回ご紹介するのは、フォルクスワーゲンのロゴ。2019年に通算12回目のデザイン変更が行われ、フラットな印象を与えられました。その背景と意図を紐解くと、これからの自動車業界の未来も見えてくる……かもしれません。
≪注意書き≫本記事は各ライターによる情報収集によって作成されているため、主観や意見、事実と異なる文言が含まれている可能性をあることをご了承ください。
背景
2019年のロゴデザイン変更から遡ること4年、2015年に発覚したディーゼルエンジンの排出量テスト不正工作問題によって、フォルクスワーゲンに対する信用は大きく損なわれました。傷ついたイメージを復活させる為に、いち早いブランドイメージの一新を迫られます。そこでフォルクスワーゲンは「トランスフォーム2025+」という目標を掲げ、自ら生まれ変わることを世界に約束しました。
戦略意図
「トランスフォーム2025+」に基づき企業構造の再構築を行うフォルクスワーゲンは、過去のイメージを払拭するためCIの刷新も同時に行います。その一環としてロゴの変更も行われました。
先進的かつクリーンなデザインによって、不正を認める体制と決別したこと、そして「100年に1度の大変革期」とも言われる自動車業界のなかでリーディングカンパニーであり続けることを表明し、ブランドイメージの回復を狙ったのです。
表現意図
それまで使用されていたロゴは、影やハイライトなどの装飾を多用し、立体的に見えるように工夫されていました。しかし、2019年の変更では、大きくイメージを変えるために装飾をすべてなくし、フラットでシンプルなデザインとなりました。ここに「トランスフォーム2025+」でアピールしたい清廉潔白さをより強く印象づけよう、という意図が見えます。他にも、スマホなどの小さな画面でもはっきりと視認できるように、という意図も、シンプルなデザインに込められています。
まとめ
スマホなどのITデバイスが普及した今日、自動車業界もデジタルメディアの影響力を無視することはできません。フォルクスワーゲンのロゴの刷新は、きっかけは不祥事で傷ついたブランドイメージの復活でしたが、時代の変化に対応し、これからの自動車業界のあり方を示した好例、と言えるかもしれません。