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三菱ケミカル・クリンスイ

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浄水器ブランド、クリンスイ。
「コップ一杯の水をきれいに」というスローガンのもと、 50か国以上で利用されているグローバルブランドです。浄水器というアイテムだけではなく、「水」のブランドとして、製品やサービスを展開しています。
クリンスイが2009年の発売25周年を機に行った、著名なグラフィックデザイナーによる新CI戦略を紐解きます。
≪注意書き≫本記事は各ライターによる情報収集によって作成されているため、主観や意見、事実と異なる文言が含まれている可能性をあることをご了承ください。
背景
2009年、CO2の発生量削減など環境への関心が世界的に高まる中で、水道水を安心して飲むことができる浄水器への期待や需要拡大が見込まれていました。
自社ブランドのクリンスイが扱う「水」は地球の問題である、であれば、世界的にその活動を広げていくことは必須でした。そこでクリンスイはグローバル化の推進へと大きく舵を切ったのです。
戦略意図
CI戦略以前のクリンスイは発信のビジュアルがそもそも統一されておらず、ブランディングがなされていない状態にありました。
環境問題への意識が高まる外部環境変化の中で、「水」を扱う企業としての責任や意識のあり方、そして海外へ展開していくには、社内はもちろん、社外に対してもその「情熱」を示し、意識の統一を図っていく必要がありました。
また同じような商品を扱う競合企業のロゴはほとんどが緑や青で、流通の現場において差別化が難しい状況となっていました。競合とは違う、もっと水を通して地球規模の視点を持ち課題解決に取り組む企業としての発信が求められていたのです。
表現意図
カタカナだったロゴマークをアルファベットに変更し、発表された真っ赤なロゴマークは、「水」のイメージとは結びつきにくく、浄水器ブランドとしては画期的なものでした。
デザイナーは「水」そのものを表すのではなく、「水」を扱う企業の情熱を色で表現し、シンボルとしたのです。
さらに赤のロゴを纏った商品パッケージは流通現場で目を引きました。赤の色と「水」が持つイメージの程よい違和感が、ブランドの認知を一層高めることへとにつながりました。
まとめ
クリンスイのCI戦略においてはロゴだけではなく、「コップ一杯の水をきれいに。」というスローガン、メインビジュアルの設定、さらにはグローバル展開における言葉の問題をクリアするための映像も制作されました。
さらに製品やパッケージはもちろん、POP、グッズ、広告等すべてCIと連動させて展開することで、ブランドの認知浸透は高く、今や真っ赤なロゴはお馴染みのものとなってゆきました。
ペットボトル飲料は製造から注入、輸送までのコストやエネルギーを必要とするとともに、大量のプラごみを生み出します。浄水器を使うことが環境への配慮につながっていく。地球全体のサスティナビリティーを考慮する熱い企業の姿勢を、クリンスイは真っ赤なロゴによって発信し続けているのです。
 
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