マツダ株式会社
- タグライン(スローガン)
広島に本社を置く自動車メーカー、マツダ。その歴史は古く、設立は1920年にまでさかのぼります。コルクの製造からオートバイ、3輪トラックの製造を経て1950年には4輪自動車を発売。その後、世界初の量産型ロータリーエンジンを搭載したスポーツカー「コスモスポーツ」の販売、オイルショックによる経営危機などを経て、現在では熱狂的なファンを抱える独自のブランドポジションを確立しています。そんなマツダが2013年から掲げているのが「Be a driver.」という言葉です。果たして、どんな想いが込められていて、ブランディングにどのように寄与しているのでしょうか。
≪注意書き≫本記事は各ライターによる情報収集によって作成されているため、主観や意見、事実と異なる文言が含まれている可能性をあることをご了承ください。
背景
モノづくりに対する強いこだわりを持つマツダ。2011年には、飛躍的進歩を遂げた技術体系をまとめて「スカイアクティブ・テクノロジー」と呼称しました。しかしユーザーにとっては抽象度が高く、そのメリットがうまく伝わっていない…という課題がありました。それだけでなく、燃費などのスペックだけを見ると、エンジンのみで走るマツダ車は他社のハイブリッド車のほうが高いという現状もありました。
戦略意図
マツダが作るのは乗る人の心まで動かせるモノ。数値化できない「運転する愉しさ」「心地よさ」という性能を、ブランディングによって伝える必要がありました。ユーザーが得られる「スカイアクティブ・テクノロジー」のメリットの一つは、「思い描いたとおりに車を操る」楽しさをドライバーが感じられること。自動運転へとシフトしつつある近年ですが、運転そのものを楽しいと感じる人が一定数以上いるのも事実です。そしてマツダはそんな人たちにファンになってほしい。そこでトレンドに逆らうかのように「自動車は人が運転するべきだ」と高らかに表明し、独自のポジションを確立することにしたのです。そして掲げられたタグラインが「Be a driver.」。
表現意図
日本語に訳するなら、「さあ、ドライバーになろう。」でしょうか。シンプルなタグラインですが、運転という営みが人間の手から離れていきつつあるこの時代だからこそ、文字数以上の意味を受け取ることもできます。運転を楽しいと感じる人はきっと「やっぱりクルマを選ぶ基準は『楽しいかどうか』だよね」と思うと同時に、「マツダは分かってる」とニヤリとするかもしれません。
まとめ
マツダは自動運転技術も開発を進めていますが、そのシステムを「CO-PILOT(副操縦士という意味です)」と呼ぶことからも、あくまで『ドライバーのサポートに徹する』という前提であることが分かります。それよりもマツダは運転の楽しさを邪魔する様々なノイズを減らすことに開発リソースを投入してきました。
「Be a driver.」という言葉には、自分たちが「いい」と思えるモノづくりに、同じように「いい」と思ってくれる人たちとこれからも歩んでいきたい。そんなマツダの想いが込められているのではないでしょうか。
「Be a driver.」という言葉には、自分たちが「いい」と思えるモノづくりに、同じように「いい」と思ってくれる人たちとこれからも歩んでいきたい。そんなマツダの想いが込められているのではないでしょうか。